私の出版したKindle電子書籍『投資で損失が出た!?確定申告で節税だ!: 所得税の還付に住民税の控除、仕組みと手順を解説』では、特定口座(源泉徴収あり)で取引をした場合の確定申告についてご説明しました。
この記事では特定口座(源泉徴収なし)で取引をした場合の確定申告ついてご説明します。
特定口座(源泉徴収なし)とはどんな口座?
特定口座(源泉徴収あり)は利益が出るたび税金を払う(証券会社が代わりに払ってくれる)という口座です。
一方、特定口座(源泉徴収なし)は利益が出てもその都度税金を払う必要がありません。
年間を通して一定の利益が出た場合、確定申告をしてまとめて税金を払うという口座です。
年間を通して損失が出た場合は払うべき税金もありませんので、確定申告は不要です。
ただし、書籍をご覧頂いた方はお分かりだと思いますが損失が出た場合は、
- 損益通算
- 損失の繰越控除
という仕組みにより節税ができる可能性がありますので、確定申告をすることをオススメ致します。
確定申告の進め方
「特定口座年間取引報告書」をダウンロードする
特定口座(源泉徴収あり)の場合と同様です。
(特定口座(源泉徴収あり)でも口座の設定次第では発行される場合があります)
こちらも確定申告に関わってくる書類なのですが、今回は説明を省かせて頂きます。
※私が普段、「上場株式配当等の支払通知書」が発行されない設定で取引をするため、詳しく説明できないためです。
e-Taxにデータを入力する
ダウンロードした特定口座年間取引報告書のデータをe-Taxへ入力します。
「書面で交付された特定口座年間取引報告書の入力」をクリック
ここまでは特定口座(源泉徴収あり)の場合と同様です。この後が違います。
口座情報の入力で、「無」を選択します。
すると、以下のように表示されますので、「特定口座年間取引報告書」の内容を赤枠の部分に入力していくだけです。
特定口座(源泉徴収あり)の場合と何が違うのか?
大きく違うのは以下の2点です。
- 所得税、住民税の入力は不要(不可)
- 配当等の入力フォームがない
それぞれ確認していきます。
所得税、住民税の入力は不要(不可)
以下の赤枠の部分ですが、入力欄がなく、税金(所得税、住民税)が入力できなくなっています。
それも当然で、ここは確定申告前にすでに支払っている税金がある場合に入力する欄です。
特定口座(源泉徴収なし)の場合は確定申告前に税金を支払わない口座なので、入力不要(不可)になっています。
配当等の入力フォームがない
特定口座(源泉徴収あり)の場合は、「配当等の額及び源泉徴収税額等」の入力フォームがありましたが、特定口座(源泉徴収なし)の場合は入力フォームごと消えています。
これは配当等に関するデータが「特定口座年間取引報告書」ではなく、「上場株式配当等の支払通知書」に掲載されるためです。
そのため、「上場株式配当等の支払通知書」のデータは別途入力することになるのですが、前述しました通り、今回は説明を省かせて頂きます。
まとめ
特定口座(源泉徴収なし)で取引をした場合でも、「損益通算」「損失の繰越控除」で節税できる可能性があります。
投資結果が損失の場合、確定申告の義務はありませんが、節税のため確定申告することをオススメします。